《ブルックナーの楽譜2》交響曲第8番 1957年(カラヤン/ウィーン・フィル)    (最終改訂:2008.11.2.)
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Anton Bruckner : Symphonie Nr.8 C-moll


カラヤン指揮/ウィーン・フィル 交響曲第8番(1957年7月28日ザルツブルク音楽祭)CD:Orfeo D'or, C 773 084 L
カラヤン指揮/ウィーン・フィル 交響曲第8番(1957年4月17日ウィーン)CD:Andante, 4996
カラヤン指揮/ウィーン・フィル 交響曲第8番 1957年 第4楽章の比較
交響曲第8番 第4楽章の譜例(452-458小節)



ブルックナーの交響曲の版、作曲経緯に関しては以下の資料を参考にしました。

(1)金子建志著『こだわり派のための名曲徹底分析 ブルックナーの交響曲』 音楽之友社、1994年刊
(2)『作曲家別 名曲解説ライヴラリー5 ブルックナー』 音楽之友社、1993年刊
(3)Bruckner Symphony Versions (David Griegel)
(4)The Several Versions of Bruckner's Symphonies (a synopsis) (Jose Oscar Marques)
(5)Anton Bruckner Symphony Versions Discography (John F. Berky)
(6)ブルックナーの壁「版の問題」(URL:http://f20.aaa.livedoor.jp/~brukabe/edition.html)
(7)The Bruckner Journal
コンテンツに"ANTON BRUCKNERS WORKS Published scores of the various versions"があります。
(8)ブルックナー 交響曲第8番 ハース版とノヴァーク版第2稿の比較


カラヤン指揮/ウィーン・フィル 交響曲第8番(1957年7月28日ザルツブルク音楽祭)CD:Orfeo D'or, C 773 084 L

 CD:Orfeo D'or, C 773 084 L
 このディスクは2008年9月19日にリリースされた1957年ザルツブルク音楽祭オーケストラ・コンサート集(4CD)です。

 ブルックナーの交響曲第8番ハ短調はCD1に収録されています。


        Rec:1957.7.28.ザルツブルク音楽祭ライヴ

        祝祭劇場、ザルツブルク

        ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

        ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮

          CD:Orfeo D'or,C 773 084 L(2008.9.19.リリース)

             I:15'31"、II:14'51"、III:25'23"、IV:25'11"





カラヤン指揮/ウィーン・フィル 交響曲第8番(1957年4月17日ウィーン)CD:Andante, 4996

  CD:Andante, 4996 (4CD, 4997/5000)


 CD1(4997),CD2(4998)のクレジット
 このディスクは2001年10月にリリースされたVIENNA PHILHARMONIC(1957-1963) (4CD)です。

 ブルックナーの交響曲第8番ハ短調はCD1(第1,第2楽章)、CD2(第3,第4楽章)に収録されています。


        Rec:1957.4.17.ウィーン・ライヴ

        ムジークフェライン、ウィーン

        ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

        ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮

          CD:ANDANTE,4996(2001.10.リリース)

             I:15'30"、II:14'50"、III:25'22"、IV:24'36"







カラヤン指揮/ウィーン・フィル 交響曲第8番 1957年

 1957年4月17日ウィーンとクレジットされているAndante盤CD(4996)と1957年7月28日ザルツブルク音楽祭とクレジットされているOrfeo D'or盤CD(C 773 084 L)の第4楽章を比較しました。

交響曲第8番ハ短調 第4楽章
Orfeo D'or, C 773 084 L (CD1,track4) Andante, 4996 (CD2,track2) 内容 相違
1'53" 1'52" 弦をはじくような音 両者同じ
2'04" 2'03" 観客の咳 両者同じ
3'07" 3'06" 観客の咳 両者同じ
4'06" 4'07" 「シュ」というこすれるような音 両者同じ
5'02" 5'02" 観客の咳 両者同じ
5'40" 5'39" 観客の咳 両者同じ
7'32" 7'32" 観客の咳 両者同じ
8'37" 8'37" 観客の咳 両者同じ
14'35" 14'34" Tpが458小節で音をはずしている(譜例) 異なる
24'34" 24'33" 第4楽章終了
24'35" 24'34" 拍手 拍手の始まり方は同じ

 観客の発する音(オーディエンス・ノイズ)は比較した限りでは同じと思います。
 458小節のトランペットの「はずし方」は少し違って聴こえます。
 複数のオーディエンス・ノイズが同じということは両者が別の演奏と考えるのは無理があり、同じ演奏と考えるほうが自然だと思います。


 交響曲第8番 第4楽章の譜例 (452-458小節)

4 Satz (p142)

A Kalmus Classic Edition
Anton Bruckner
Symphony No.8 in C minor
Kalmus(K 00382)

〈458小節のトランペット〉

 第4楽章の459小節から第1主題が始まります。その直前の2小節(457,458小節)はトランペットが「パパン、パパン、パパン、パパン」という装飾音付きの音型を2小節繰り返します。
ティンパニも同じ音型、ホルンとファゴットは全音符です。

・Andante盤(4996)では、トランペットの2回目の「パパン、パパン、パパン、パパン」の1拍目、2拍目の装飾音(譜例458小節、2箇所とも)がうまくできていないように聴こえます。 時間表示でCD2,track2の14'34"のところです。

・Orfeo D'or盤(C 773 084 L)ではトランペットの2回目の「パパン、パパン、パパン、パパン」の1拍目の装飾音(譜例458小節、左側の1箇所)がうまくできていないように聴こえます。 時間表示でCD1,track4の14'35"のところです。