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2004

▲UP9月8日

『From Toscanini to Abbado - The history of the Lucerne Festival Orchestra』

Euro Artsから発売された「From Toscanini to Abbado - The history of the Lucerne Festival Orchestra」を収録しているDVD、2053469を確認しました。

当初の発売予定は8月3日。
8月30日に発売日が延びた旨連絡があり、9月4日に発送通知が来ました。
到着は今日。
本体が£16.16で、送料が£2、相変わらずイギリスは安くて早い。
NTSCのリージョン・フリーです。
アナウンス音声は英語、字幕は英語・独語・仏語から選べます。

このDVD、「ABBADO in LUCERNE」というタイトルの、アバドとルツェルン祝祭管弦楽団による2003年のライヴ映像が本編で、ドキュメンタリはおまけといった感じです。
登場するのはアバド、アンセルメ、カラヤン、ケンペ、クーベリック、メータとズッカーマン等。
トスカニーニは写真だけ、フルトヴェングラーはリハーサル時に歌手たちと話しているシーン、メニューインはインタヴィュー、デ・サバタはスカラ座とのルツェルン到着時のニュース・フィルム映像です。
他にルツェルン音楽祭中のエドゥイン・フィッシャーによるマスター・クラスのニュース・フィルム映像等。
ドキュメンタリは約50分ほどです。

カラヤンの章は「Karajan and Wilhelm Tell」というタイトルです。
当然《ウィリアム・テル》序曲の演奏風景が中心なのですが、理解できないことに、ルツェルン音楽祭とは何の関係もない83年のジルヴェスターの映像です。
何なんだ、これ。
他に、関係者と散歩するルツェルン音楽祭のニュース・フィルム映像、67年とあるカラヤンへのルツェルン音楽祭についてのインタヴィュー映像、カラヤン・センターでも観ることのできるインタヴィュー映像、夫人と自家用機に乗り込むところ、それからブランデンブルグ協奏曲第3番です。

このブランデンブルグの映像は初出です。
こんな映像が残っているなんて、話に聞いたこともありませんでした。
冒頭、「1969年、ルツェルンが芸術賞を授与」というアナウンスが入ります。
映像はコンサート会場でチェンバロの前に座り、横のマイクの前に立つ司会者の言葉を聞くカラヤン、カラヤン自身の《ニュルンベルグのマイスタージンガー》のハンス・ザックスの台詞を引用した受賞の挨拶、それから演奏風景です。
演奏風景は第3楽章冒頭で40秒ほど、モノクロ、モノラルです。
この手の曲の常で、カラヤンはチェンバロを弾いていますが、例によってカラヤンの正面にもうひとりチェンバロがいます。

問題は私が見たいくつかの演奏会記録が、全て69年のルツェルン音楽祭でブランデンブルグの3番を演奏したことにはなっていないことです。
いずれも8月31日にチャイコフスキーの5番と併せ、1番を演奏したことにはなっています。
3番をルツェルン音楽祭で演奏したのは65年。
では、今回の映像は65年の間違いかとも思いましたが、『全軌跡を追う』の年表によると、69年9月に「ルツェルン市より芸術賞を受賞する」とあります。
9月1日のプログラムは前日と全く違うバルトークとブラームス。
普通、2日間演奏会で人前に登場する機会があれば、授賞式は初日に行うと思うのですが……
で、今度はカラヤン・センターChronologyを見たところ、受賞はやはり8月31日だったようです。

今回の映像は69年8月31日のものとし、この日のプログラムを1番としている記録は間違いであると思い込むことにしようかとも考えしましたが、この日の夜8時から行われた演奏会とは別ものとしました。
演奏風景にかかるアナウンスでは、「プレゼンテーション・セレモニーで……」と言っています。
記録に残っていない受賞記念演奏会があったのかも知れません。
そう考えると、カラヤン以下ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーが全員、たとえばウィーンのニュー・イヤーズ・コンサートのときのように、燕尾服ではなく、黒い背広に普通のネクタイを締めているのもわかる気がします。
といってもルツェルン音楽祭でのカラヤン以下の服装というのは知らないのですが。
それにもし演奏会記録の間違いであれば、このブランデンブルグのあと、チャイコフスキーの5番を演奏するはずですが、普通こういう場合あらかじめ並べられているはずの大編成用の椅子も譜面台もなく、ちらっと写る感じでは、そもそもホールが小さすぎるような気がします。

ということで、Filmographyに追加、Indexを更新しました。
公開以来の度重なる追加により、とくにこのFilmographyは、過去ページからのリンクのずれが甚だしくなっていますが、解決にはもう少しお時間をください。

なお、このドキュメンタリには、関係者の証言もいくつか収録されています。
カラヤンについて印象に残ったのは、何人かの指揮者がもう少し良いホールが出来たらまた来るよ、といっていたものの、カラヤンが平気で毎年演奏しているので、出演依頼を断れなかったという話でした。

▲UP9月4日

『ベルリン・フィルの栄光と歴史』

以前にも放送されたことがあるのかも知れませんが、私には憶えがないので、ここに書いておきます。
NHKのHi Visionで『ベルリン・フィルの栄光と歴史』という番組が放送されます。

HiVision Classic Theater: 2004/09
NHKオンライン内)

12日(日)午前1時59分20秒から(土曜深夜)。
名指揮者ニキシュ、フルトヴェングラー、カラヤン、アッバードそして、 2002年から音楽監督に就任するラトルなど、歴史的名演奏をはさみながら」とあります。
そんなに期待はできないかと思いますが、どんなものでしょう。

うちはHi Visionを録画できないので、そのとき観るしかありません。
3時に終わってそれから寝て、6時に起きて仕事って、来週は辛い日曜日です。


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