こんにちは
京阪神を強い台風が襲いましたが、自宅付近では幸い風・雨共にたいしたことはなく、大きな災害も無しで無事に通過してくれました。
さて、カラヤン音源も再発やカップリング変えを繰り返すなかでジャケットデザインもすっかり様変わりし、オリジナルを保っているものは稀少となりました。
クラシックのレコードジャケットといえば作曲者・演奏者の顔写真か、曲に関連のありそうな名画からの引用が定番なのですが(特に60年代以降)、かえってそれらを用いないデザインのジャケットに印象に残るものが多いと思います。
カラヤンのレコードジャケットも例によって彼の写真が多いのですが、70年代に入ると以前とは趣の多少異なる新しいアイデアを盛り込んだデザインが出てきます。
それらのなかで小生が気に入っているオリジナルジャケットは、以下のタイトルです。
○ハイドン：交響曲第83番「牝鶏」・第101盤「時計」(71・EMI)
＝英文のテキストに卵、時計、ハイドンとカラヤンの顔が上手くはめこまれています。ちょっと笑えるデザインです。
○ヴィヴァルディ：四季(72・DG)
＝四季の移り変わりをリンゴの実で表現した写真。シンプルですが曲のイメージにピッタリ。
○新ウィーン楽派作品集(72〜74・DG)
＝長方形・正方形を立体的に捉えたシンプルで現代的なデザイン。20世紀の音楽にふさわしい。
○Ｒ・シュトラウス：ツァラトゥストラ(73・DG)
＝アポロ宇宙船(？)が撮影した地球と太陽。数年前に公開された映画「2001年・・・」の影響なのですが、やはりイメージに合っています。この曲のジャケットには宇宙写真が頻繁に使われていますが露骨さが目立つものも多く、当盤は控えめでgoodです。
○マーラー：交響曲集(73〜80年・DG)
＝当時、各レーベルからマーラーが多数発売されるなかで、顔写真を一切出さず"虹"を共通のテーマに用いた美しい上品なデザインで、特に印象に残りました。全集にならなかったのが残念。
○ベートーベン：交響曲全集(75〜77年・DG)※分売ＬＰ
＝大きな数字の模型が水上に浮かんだり、燃えたりと様々なシチュエーションで写されている。これらのデザインは賛否両論あるようですが、他社には無かったアプローチで、非常に斬新なアイデアだったと思います。
○シベリウス：交響曲集(76〜81・EMI)
＝フィヨルド・Ｕ字谷・針葉樹などをイメージした版画風のシンプルなイラスト。一目見ただけ北欧を連想させてくれます。こちらも全集にならなかったのが残念。
○オッフェンバック序曲集(80・DG)
＝ソフトフォーカスでキラキラした星(？)をバックにフワフワした羽を写した写真。羽の色彩や質感が美しい秀作。
○サン・サーンス：交響曲第３盤(81・DG)
＝青い背景に５色の円柱(パイプのイメージか？)を多重露光した写真。これも色彩が美しい。なお、同じＤＧのバレンボイムやチョン・ミョン・フンの同曲盤も似たようなアプローチだったような・・
○モーツァルト：ディベルティメント第17盤(87・DG)
＝ヴァイオリンに豆電球を沢山取り付けて、カメラシャッター開放のまま横にパンニングした写真[この撮影は結構難しかったと思います]。
○モーツァルト：ディベルティメント第15盤(87・DG)
＝上と似たアプローチで、こちらは自ら発光する８分音符(だったかな？)を起用。両盤ともチョット遊び心のあるところが曲のイメージにふさわしい。
カラヤンに限りませんが、70〜80年代のＤＧ盤には優れたデザインが多かったと思います。その点、最近のものはイマイチ工夫がないような・・・やはりコストカットの影響かな？？
カラヤンは発売時のジャケットデザインにも相当口を出していた(ＤＧ盤の「惑星」にまつわる噂など・・・)そうですが、上記の作品はどうだったのでしょうか。
なお、小生の気に入らない最悪のジャケットもあるのですが、これらはまた別の機会に書き込みさせていただきたいと思います。
それでは失礼します。