News Archive
2002
3月30日
仏EMIのCD5種
2月16日に書いた仏EMI3月15日発売予定分のCD5種について、カデンツァさんに若干詳しい解説が出ています。
輸入盤メジャー・レーベル新譜2002年4月
(CDショップ・カデンツァ内)
8 26654 2はベートーヴェンの三重協奏曲、これはそもそも疑う余地がなかったものです。
8 26660 2は、70年代のドヴォルザーク:交響曲第8・9番、以前あった同じ組み合わせのCDは廃盤の模様。
8 26668 2は、ヒントが少なかったため、フィルハーモニア管弦楽団との録音かと思っていましたが、《タイス》の瞑想曲も入っています。
録音年が近いとはいえ、まさかモノラル盤ではないでしょう。
ムターとのデジタル盤と思われます。
8 26674 2の『ワグナー管弦楽曲集』は、相変わらず2枚からどういう抜粋をされているのかわかりません。
8 26677 2はやはり『カラヤン・イン・パリ』が中心となっているようですが、どうでもいいボレロが入っているのはおいておくして、ハンガリー行進曲が収録曲に掲載されていません。
ただ『カラヤン・イン・パリ』の1曲目にボレロを置いた1枚は、以前同じ組み合わせのCDが出ていましたので、たぶんハンガリー行進曲も収録されているものと思われます。
なお、仏amzonの情報では、当初の3月15日から、25日→29日→4月9日と発売予定が延び、いまだに入荷していないようです。
EMIのリストラ
つづけてEMIですが、こちら発売情報ではありません。
ANDaNTEによると、先週EMIが大規模な人員削減を発表したそうです。
全世界のグループ企業内の社員20%にあたる1,600人の削減。
EMI Slashes Staff in Restructuring
(ANDaNTE)
クラシック部門にどういう影響が出るのでしょうか。
SONYのDVDページ更新
3月3日に書いた、TELEMONDIALの《悲愴》と《ファルスタッフ》について、SONY CLASSICALのページが更新ともいえない更新をしています。
情報はなく、画像は使い回しって、いまどき商業ページでこれほど寂しい更新もちょっとない(w。
3月23日
紫禁城の《トゥーランドット》
今日のお話はカラヤンと直接の関係はありません。
カラヤンは、81年に《トゥーランドット》を録音していますが、デビュー以来、実際に上演したことはあったかどうか。
まあ、それは異様なペースで更新街道驀進中の某演奏会記録サイト管理者の方がこの曲に興味を持たれるまでおいておくとして(w、このスタジオ録音前後に、映像作品の計画があったことは事実です。
中国の紫禁城を撮影場所として予定していました。
結局、この計画は、実現寸前に中国側のキャンセルにあい、流れました。
他にもどこかに記述があったはずですが、すぐには該当部分を思い出せないので、1988年7月号の『音楽の友』誌に掲載された、英誌『グラモフォン』のインタヴィュー記事邦訳から、引用します。
現在カラヤンは自分の映画の計画を非常に喜んでいる。次のビデオ・ディスク収集家世代に、質の高い画像で彼の重要なシンフォニーとオペラのレパートリーを残すことができるのだ。手痛い挫折もあった。プッチーニの《トゥーランドット》を中国の紫禁城にロケして撮影する計画が、中国側から拒否されたのである。(後略)
そして、カラヤンの計画からざっと20年後の1998年、ズービン・メータがこの計画を実現しました。
この上演はDVD化もされています。
さて、この上演までの舞台裏を収録したドキュメンタリ映画が、3月30日から公開されます。
もちろん全国展開ではなく、東京・渋谷のシネセゾン渋谷での単館ロードショーです。
直接関係はないにしても、カラヤンの望んだ計画が、決して短いとはいえない年月を経たあと、他の誰かの手で実現されるというのは、なかなか感慨深いものがあるのではないでしょうか。
そういった面で、上演そのものより、むしろドキュメンタリ作品の方が、われわれに訴えかけてくるものは強いように思えます。
参考リンク:
The Turandot Project
3月20日
「カラヤンのタクト競売へ」(共同通信)
「共同通信によりますと……」と1度言ってみたかった。
新聞だと夕刊に載るのでしょうか。
Dorotheumのカタログにあります。
さすがにYahoo!のオークションなどとは桁が違いますが、それでも眼球が飛び出るほどの値段ではありませんね。
ネットでの入札も出来ますので、もしこのサイトをご覧の方が落札された場合は、是非お知らせ下さい(w。
3月17日
CD-R盤4種
Pandora's Boxの発売したCD-R盤4種を確認しました。
繰り返しになりますが、以下に詳細を挙げておきます。
強調してあるのが初出です。
アナウンスがあってから私が1番楽しみにしていた《大地の歌》は、以前ARKADIAから出ていましたが、今回は期待通りステレオ収録です。
ARKADIA盤で発売されたカラヤンの音源としては、珍しく私が繰り返し聴いていたものだったので、今回のステレオでの発売は嬉しい限りです。
音質は時代相応といったところでしょうか。
CDPB248はジャケット表に8月、ジャケット裏に12月とあります。
8月で間違いないようです。
音質は普通。
ドイツ・レクィエムは音質まずまず、最初のうちヒス・ノイズが気になります。
これでカラヤンのこの曲の録音はスタジオ盤・映像作品を含めて、12種目です。
CDPB250〜1に収録されている4曲のうち、《未完成》とブラームス:交響曲第1番は、以前から他レーベルでCD-R化されています。
今回の盤では、《未完成》の冒頭に金属が触れあうようなノイズが入っています。
DISC-1に《未完成》と二重協奏曲、DISC-2にブラームス:交響曲第1番と4つの最後の歌が収録されており、ジャケット表はDISC-1の日付を83年12月31日、DISC-2を80年12月30日と一括りしていますが、上記の日付でおそらく間違いないでしょう。
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲は、ライヴ音源としては初出です。
音質は時代としては若干劣るでしょうか。
4つの最後の歌は、50〜60年代のシュワルツコップとのライヴ盤がありますが、ステレオ・ライヴは初めてです。
音質はあまり良くありません。
この日の後半に演奏された《ドン・キホーテ》は以前、やはりCD-R盤でSARDANAから発売されていました。
現在、超絶技巧的に時間がないため、ジャケット画像の取り込みとタイミングの入力はしましたが、ろくに聴いていません。
何かありましたら、ここに追記します。
3月12日
『カラヤンとウィーン国立歌劇場』
アルファベータより刊行された『カラヤンとウィーン国立歌劇場』をBooksに追加しました。
1997年にオーストリアで発売された写真集で、数多くの舞台や当時の新聞に掲載された見出し・記事の写真、『カラヤンの生涯』の著者フランツ・エンドラーと、カール・ミヒャエル・フリットムという耳慣れない批評家の評論や、カラヤンのウィーン国立歌劇場監督時代の、全ての演奏会記録等が収録されています。
Karajan Centrumもこの本全体に協力しているようなので、演奏会記録はあまりあてにならないでしょう(w。
評論には日本語訳がそのまま掲載されていますが、主要な舞台や新聞記事の写真については、別の小冊子に日本語訳が掲載されていて、原書のレイアウトを崩さない配慮がなされています。
いままで見たことのないものや、面白いものも多いのですが、とくに私が興味を惹かれたのは「《こうもり》の終演」というキャプションのついた1枚です。
何となくカラヤンはあまり遊び心の豊かな人物ではなかったと思いがちですので、こういう写真を見ると嬉しくなってしまいます。
ここのところなかなか時間がとれなくて、この本もまだよく見ているとはいえません。
何かありましたら、追記します。
日本語版の刊行を知らせて下さったConcolorさんに感謝です。
参考リンク:
新刊・近刊(アルファベータ内)
ごく普通に書店に注文して購入しましたが、リンク先のページの写真右横にある銅像はついていませんでした(w。
3月7日
CD-R盤初出音源
パンドラの箱CD-R盤4種のアナウンスがありました。
強調してあるのが初出、《大地の歌》は以前ARKADIAから出ていたものと同一かも知れませんが、ステレオ収録が期待できるでしょう。
いままでライヴとしては1度も出ていないブラームスの二重協奏曲が興味深いでしょうか。
数日中にLiveを更新します。
追記(3月14日):
LiveとIndexを更新しました。
管理者未入手のため、ジャケット画像、タイミング等の細かい情報は入っていません。
3月6日
バイロイトの《指環》
発売情報としてはそれほど珍しいものでもありませんが、気になる記述があったのでここに記しておきます。
バイロイト音楽祭戦後再開初年の51年に、カラヤンがクナーパーブッシュにつづいて指揮をした《ニーベルングの指環》第2ツィクルスは、レッグ(英コロンビア)によって全曲がライヴ収録されていながら、正規で発売されたのは《ワルキューレ》の第3幕のみで、《ラインの黄金》と《ジークフリート》はイタリア系の非正規レーベルからLPやCDで発売されているものの、《神々の黄昏》にいたっては、一度も音盤化されたことがありません。
うろ憶えで恐縮ですが、バイロイト側はクナーパーブッシュで《指環》の全曲を希望していたものの、専属契約を結んでいるコロンビアの営業上の理由で、当時同社が押しまくっていたカラヤンでの録音ということになり、しかも《ワルキューレ》第3幕のみ申し訳程度に発売されただけで、翌年を最後にカラヤン自身がバイロイトを離れたこともあって、レッグがバイロイトに興味を失ったとかいう話もありました。
まあ、それはともかく、51年の《指環》がどのようなかたちであれ、いまだに全曲としてわれわれが聴くことの出来ない存在であることは確かです。
このうち、すでに何回か発売されている《ラインの黄金》がURANIAからCD化される旨、アリアCDさんに掲載されています。
リンク先のページにある「アルカディア、メロドラムで出ていたが最近は入手不能となっていた。
」というのは嘘で、昨年だか一昨年だかMYTOから《ジークフリート》ともども発売されており、いまも容易に入手できます。
私が気になったのはコメントの最後の「おそらくこのままチクルスを完結させることになるだろう。
」という一文です。
アリアCDの店主さんの単なる思い込みだろうとは思いますが、もし実現されたらうれしいですね。
著作隣接権が切れるのは、その演奏があった翌年から数えて50年、つまり51年の《指環》の隣接権が切れたのは今年です。
私は数年前から、隣接権が切れる2002年にEMIがこのときの《指環》全曲を発売するのではないかと、希望的な観測をしていたのですが、単なる希望のままです。
先述のMYTOにも発売当時期待したのですが、《ワルキューレ》が飛ばされた際に諦めました。
もしURANIAレーベルが今回の《ラインの黄金》につづいて、いままで全曲としては一度も発売されていない《ワルキューレ》を発売出来れば、あとはもう一気に《神々の黄昏》まで行くでしょう。
そういえば数年前、やはり51年のバイロイトでの何かの演奏を、隣接権切れ直前に、シュワルツコップの快諾を受けたDECCAがEMIの倉庫まで探してCD化したという情熱的な離れ業をおこなったことがありました。
そもそもいままでのイタリア・レーベルが何を原盤に《ラインの黄金》や《ジークフリート》を音盤化しているのかわかりませんが、この際どこからでも良いですから、是非全曲リリースに漕ぎつけてもらいたいものです。
正直なところ演奏内容にそれほど期待しているわけではないのですが、Live音源のページとしては唯一《神々の黄昏》にのみついている未発売音源用の画像が目障りなんです(w。
ちなみに私は「ウラニア」と聞くと、「《エロイカ》!」と応えてしまいますが、例の会社とは何の関係もないのだそうです。
51年の《ラインの黄金》にCD番号を追加しました。
3月4日
『On and Off the Record』
エリザベート・シュワルツコップが亡夫ウォルター・レッグの残した回想録・メモ・批評等の文書をまとめた『レコード うら・おもて』の原書は、もう20年も前の出版で、86年出版の邦訳版ともども、永く手に入れられなかった書籍ではないでしょうか。
カラヤンに興味のある人間にとって、この書籍はかなり読み応えのあるもので、他にクレンペラーやウォルフについても、なかなか面白い文章があります。
その原書である『On and Off the Record』が、いまさらながらペーパーバック化されるそうです。
On and off the Record
(Barnes & Noble.com内)
写真集ではなく純然たる文章の書籍なので、どなたにでもおすすめというわけにはいきませんが、英語に堪能な方はいかがでしょう。
3月3日
ARS NOVAのモスクワ公演
あまりにも連続してニュースを他サイト頼みというのも気が引けますが、時機を逸してはもったいないのでご紹介。
27日のARS NOVAのモスクワ公演CDについて、そもそもこのCDの発売情報を知らせて下さった加藤幸弘さんのサイト、Classical CD Information & Reviews内の「クラシックCDの感想」でレヴィューが掲載されています。
カラヤン指揮のバッハとショスタコーヴィチ,モスクワライヴ
(Classical CD Information & Reviews内)
加藤さんのページに対抗意識を燃やして、カラヤンがショスタコーヴィチと写っている見慣れない構図の写真を捜してみたのですが、これはちょっと画質ひどすぎますね(w。
だいたい音源はステレオで残っているのに、どうして写真はどれもこれもモノクロなんでしょう。
TELEMONDIALの《悲愴》と《ファルスタッフ》
年間に発売するカラヤンの映像作品の数を厳しく制限しているとしか思えないSONY CLASSICALから、今年初めてのDVD化のアナウンスがあったようで、カデンツァさんで紹介されています。
VPOとの《悲愴》と《ファルスタッフ》です。
両方とも外国盤。
《ファルスタッフ》の方はTELEMONDIAL初期で、しかもライヴ収録のため、他の映像作品に較べると画質が落ちますが、DVDだとどうなのでしょう。
河に落とされたあと暖めたワインを呑んでいるとき、突然クィックリー夫人に後ろから声をかけられて驚いたタディが吐き出す霧の見事なこと!(w
なお、リンク先のページには《ボエーム》の外国盤DVD化も掲載されていますが、日本盤既出です。
上記によりFilmographyにDVD番号の追加をおこないました。
参考リンク:
DISCOGRAPHY - Herbert von Karajan
(SONY CLASSICAL内)