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2005

▲UP1月4日

ドリームライフの新譜

ドリームライフの約1年ぶりとなるカラヤン映像の新譜はワイセンベルクとのチャイコフスキーだそうです。

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23
DREAMLIFE CLASSICS内)

何でだろう。

板起こしの《ヘンゼルとグレーテル》

年末に書くのを忘れましたが、NAXOSがEMI盤の《ヘンゼルとグレーテル》を発売します。

2005年2月マイナー・レーベル新譜(速報版)
CDショップ・カデンツァ内)

ART盤が出ているのにわざわざ板起こしということは、よほどの自信があるのでしょうね。

▲UP1月3日

書物たち

予定通り、ここ半年ほどで溜まった書物たちについて。

BERLINER PHILHARMONISCHES ORCHESTER 1882 - 1982
DIE PHILHARMONIKER 1982 Biographische Porträts

外国書籍。
ISBN不明、出版社不明、というところからすると、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の私的な色合いの強い本なのでしょうか。
その割にたくさん出回っているようで、よく見かけます。

おそらく1982年の創立100周年を記念しての本でしょう。
当時のメンバーが見開きの片ページに写真、もう片ページに略歴というかたちで、113人紹介されています。

正直、karajanで検索してこの本が引っかかるというのはちょっと違うと思います。
カラヤンは表紙の全体写真をよく見ると真んなかに写っているのがわかります。
あくまでもメンバー紹介が主で、カラヤンとインテンダントの紹介はありません。
ペーター・ギルトの序文はあります。

これはBooksには追加しません。
カラヤンの映像を見ていて、名前のわからない演奏者を調べるには便利でしょう。
ただ写真はこの当時でさえ古すぎるものも見受けられるので、確実に役に立つかは微妙なところ。

A HISTORY OF THE SALZBURG FESTIVAL

Stephen Gallup著、1987年発行、外国書籍。

結構な値段がついていたのでてっきり写真集か何かかと思ったのですが、ばっちり活字だけの本でした。
日本の単行本を少し縦に伸ばした感じ、装丁・紙質ともさほどよくありません。

ザルツブルグ音楽祭の歴史が年代順に書かれており、第8章が「From Furtwängler to von Karajan 1950-9」、第9章が「Von Karajan's Imperium 1960-87」になっています。
ドイツ語でないのは助かりましたが、面倒なので8・9章をぱらぱらと読んだだけです。
特別興味を引くような記述はありませんでした。
写真は数葉。
どちらにしろ活字ばかりの外国書籍は追加しないので、Booksは更新しません。

BERLIN BAUT 4
Der Kammermusiksaal

またまた外国書籍、というか小冊子、あるいはちょっと力の入ったパンフレット。
全部で60ページほどです。

87年のカンマームジークザール落成に合わせて発行されたものでしょう。
カラヤンによる序文があるのですが、ドイツ語のため理解不能。
内容はカンマームジークザール建設の手描きスケッチから設計図・フロア図・ホール内写真等が盛りだくさん、合わせて文章による解説があります。
音楽というより建築好きな方に向いていそうなほどです。

Booksには追加しません。

HERBERT VON KARAJAN und die Salzburger Festspiele

これも外国書籍。
1994年にザルツブルグ音楽祭と出版社がエリエッテ夫人監修の元で発行したようです。

以前からときどき海外の古書サイトで見かけたのですが、どういう本なのかわからず、しかもえらく高かったため躊躇していました。
半年ほど前に€10で見つけたので買ってみました。
状態が多少心配でしたが、無事綺麗な本が届きました。

高額ということで期待していたとおり、写真をもりもり使った大型の書籍です。
A4を横に少し引き延ばした感じ。

内容はカラヤンの写真が断然多く、他に舞台写真、上演ポスターやスケジュール等。
作りとしては『カラヤンとウィーン国立歌劇場』に似ています。
写真は全てモノクロ、隙間を埋めるようにドイツ語の文章が入っています。
カラヤンについてはとくに目新しい写真はありませんが、大判でポスターや舞台写真も面白いので、見ているだけで楽しい本です。

これは今回唯一Booksに追加しました。

よくわからないので、いまのところ余談になりますが、この本で私がもっとも興味を引かれたのは、巻末のたった1ページの3分の2しかないディスコグラフィーです。
カラヤン指揮のザルツブルグ音楽祭のライヴ盤が載っているのですが、正規発売されたことのないものが2つ出ています。

モーツァルトは「Disco Center Kassel, Suite 506 001」、R・シュトラウスは「Deutsche Grammophon, 415 508-2」となっています。
DGの415 508-2に収められている《英雄の生涯》は85年のスタジオ録音です。
何かの勘違いかとも思いますが、4つの最後の歌のソリストはちゃんとシュワルツコップとなっています。
何だろう、これ。

『一流の顔』

今回唯一の日本の書籍。
昨年の11月発行で、最近諸処で紹介されています。

著者は元NHK美粧師という肩書き、つまりメイク・アップ・アーティストですね。
この本の紹介にカラヤンの名前が出ていたので、どうせ分量は少ないだろうと思いながらも買ってみました。

50編以上の短い文章からなっていて、それぞれの題名の下に「誰それの何々」という副題がつけられています。
カラヤンは「人を安心させる『〜らしさ』 カラヤンの楽屋裏」という文章の一部に登場します。
極めて短いので引用しましょう。

あるとき、指揮者カラヤンの楽屋を仕事で訪れた。演奏会前の楽屋裏は「世界のカラヤン」へ変わるための儀式のようだった。鏡前に座ったカラヤンの右にいるスタッフは爪を磨き、左手では別のスタッフが香水を一振りしている。普通白髪なら黄ばみがかるのだが、カラヤンの髪は真っ白で艶やかだ。白く染めたようだった。靴は裏まで磨かれ下ろしたてのようだ。その間カラヤンはだまって座っている。身支度はスタッフに任せて、神経はこれから始まる演奏に集中しているようだった。

支度が終わったカラヤンは、頭の先から足の先までぴかぴかに磨かれ一分の隙もない。ファンが望んでいる神のような姿に整えたカラヤンは、ステージに颯爽と出ていった。

ファンがもっているイメージの枠に入る。それは自分が好きとか嫌いとかではなく、ファンを安心させ、楽しませるための大切な仕事の一部である。もちろん演奏だけでも「世界のカラヤン」を充分楽しめるが、やっぱり目でも楽しみたいと思うのがファンの気持ちではないだろうか。素直に枠に入るほうが、余計な詮索を受けずに演奏だけに集中してもらえ、カラヤン自身も指揮をしやすいのだろう。

化粧や服を着ることは自分のためだと考える人も多いが、相手を安心させてあげることもできる。カラヤンらしさ、八百屋らしさ、医者らしさ。自分の好みを抑えて演じる「〜らしさ」は相手に安心を提供するサービスのひとつなのだ。

カラヤンの楽屋裏を覗いたというだけで終わるなら相当厭味な描写になりますが、それを仕事のひとつと捉えるところに、この世界に住んでいる人らしさが出ていて、しっくりくる文章でした。
いや、カラヤン自身相当楽しんでいたとは思いますけどね(w。

以上、書物5冊の紹介でした。
今年のお正月企画はこれで終わりです。
3が日おつかれさまでした。

▲UP1月2日

「Karajan speaks of Furtwängler」

予定変更。
昨日予告した書籍たちについては明日に回し、3日予定としながらもとてもできそうになかった分を無理矢理仕上げて、今日の分にします。

まず、TAHRAから昨年暮れに発売された『IN MEMORIAM FURTWÄNGLER』について。

これは立派な装丁のCDセットで、CD3枚にフルトヴェングラーの演奏、4枚目に本人や関係者のインタヴィュー録音が収められています。
5枚目はHTMLに起こしただけのディスコグラフィーが収録されたCD-ROM。
4枚目にはさまざまな人物が登場するのですが、そのなかのひとりにカラヤンがいるので買ってみました。

カラヤン相変わらずのダミ声、フランス語で話しています。
幸い期待したとおり、解説に英語訳がついていたので、日本語訳で引用しておきます。
やや意訳。
日本語の斜体は見づらいですが、解説書の書体に合わせています。

カラヤン、フルトヴェングラーを語る

彼は間違いなく私に対して巨大な影響を与えました。トスカニーニとフルトヴェングラーは私にとってとても大きな存在だったのです。もちろん、2人の個性は極端に異なっていました。トスカニーニは今日ではほとんど忘れ去られてしまったような病的な正確さで彼の音楽を構築していきました。私が思うに、フルトヴェングラーはおそらく何か違うものを作り出そうとする最初の人でした。彼とオーケストラは別個の存在ですが、最後にはオーケストラをまるでひとりの人間のようにしてしまう。つまりオーケストラの個々の音楽家がひとつになり、フルトヴェングラーとこの統合された個人の集団が音楽を作ってゆくのです。

バイエルン・ラジオでのJoachim Matznerのインタヴィューでカラヤンは語っている。

アーヘンの音楽監督だった頃、友人の招待でフルトヴェングラーのケルンでの演奏会に行ったことがあります。彼は序曲を始めました。その次がシューマンの4番で、最後がチャイコフスキーの交響曲でした。フルトヴェングラーのシューマンの4番に触れたのはそのときが初めてだったのですが、私に新しい世界へ眼を開かせてくれました。とても感動したのです。私は興奮醒めやらぬうちにアーヘンへ帰りました。このときの友人がフルトヴェングラーと会ったとき言ったそうです。「大変すばらしい演奏会でした。とくにシューマンの4番が」。するとフルトヴェングラーは、「何故チャイコフスキーの4番は気に入らなかったのですか?」 このシューマンの4番は3楽章と4楽章の移行の部分など、いまだに忘れられないほどの印象を私に与えたのです! それは記念碑的なものでした。

以上は解説を訳したものですが、実際にカラヤンの声で収録されているのは前半のブロックまでです。
収録時間わずかに1分!

収録年月日・音源所有者など、一切わかりません。

インタヴィューたち

さて、ここからが今日の本題。

今回のフルトヴェングラー記念CDに合わせ、以前から考えていたカラヤン本人のインタヴィュー音声・映像だけをまとめたページを作成しました。
ページの追加はずいぶんと久しぶりです。
まずは以下のページをご覧下さい。

Interviews

打ち込みやすいのでデータベースで作りましたが、全部で31件ですし、ジャケット画像は使い回しが多いので、大した負荷はかからないだろうと思い、一括表示にしました。
情報量も少ないので、検索機能もつけていません。
一応収録年月日順に並べたのですが、今回のフルトヴェングラーについても含め、全体の3分の1以上が収録年不明でした。
ですので、これら不明な収録物はページの最後にまとめて配置しました。
また以前からOthersで紹介していた資料もこちらに移動しました。

発売されたことがあるものか、あるいはインターネットで閲覧できる資料のみ掲載しています。
クルーゾ監督との一連の作品に付属する解説の類こそページの主力になりうるもので、是非追加したいのですが、未発売ですので載せません。
それと便宜上インタヴィューというページですが、実際には記者会見の模様やスピーチなども入っています。
ようはカラヤンの肉声が収録されているもの全部です。
もちろんリハーサルやうめき声の入っているライヴ音源は除く。

見た目は既存のディスコグラフィのページとあまり変わらないと思います。
同じドキュメンタリ作品に収録されていているものと区別できそうもないものが多かったので、補助として「参考画像」という項目をつけてみました。
DVDからのスクリーン・ショットへのリンクです。
取り込んだそのままのサイズで表示されますので、やたら大きな画像があったり、サムネイル替わりの画像とあまり変わらないサイズだったりと、不統一です。
また、後半は作品毎に並べたため明らかに年をとったカラヤンのあとに若い写真が出てきたりもします。

音声・映像なので、DISCOGRAPHY下に配置しようかとも思いましたが、やはりARCHIVES下に置きました。
将来雑誌等の紙媒体で発表されたインタヴィュー記事のページを作成するときに混同してしまいますが、まあそんなことは現在ちょっと考えられないので、大丈夫でしょう。

違和感があろうがなかろうが、CDに収録されていて解説書にトラックのタイトルがつけられているような場合は、それに従いました。
「カラヤン80歳の誕生日」という資料は66年のものだったりします(w。
タイトルのつけられないものや、私が適当に内容を示すタイトルにしたものはカッコで囲んであります。

何しろ私はドイツ語さっぱりなので、何を言っているのだか欠片もわからないものがほとんどです。
きちんとした商品であれば英語字幕があるので、それを参考にコメントを書きましたが、間違っている場合はご指摘下さい。

私が思いつく限りの資料は掲載したと思うのですが、すっぽり忘れているものがあるかも知れません。
未発売・未公開でなければ全て掲載したいと思っていますので、何かお気づきの資料がありましたら、ご連絡下さい。

では、たぶん明日こそ、今日よりずっと楽な書籍たちの紹介をします。

▲UP1月1日

賀正

あけましておめでとうございます。
今年もみなさまにとって実り多い一年でありますように。

今年も色々脇道にそれつつ、ゆるりゆるりと更新していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

タイル




さて、今年もお正月に合わせて更新します。
今日・明日・明後日と連続でできれば良いと思っているのですが、3日の更新はいまだ手をつけておらず、短時間ではできそうもないので、たぶんアップしません。
明日は大丈夫だと思います。

1日目の今日はカラヤン・センターのお土産品、タイル3枚についてです。

先日の『栄光のカラヤン大全集』というCD145枚組に、カラヤン・センターから輸入した陶器製の肖像フレームが特典として添付されるとあり、初めてその存在を知りました。
早速カラヤン・センターにメールを出したところ、1枚€27であること、3種類あること、1枚の送料が€20であることを教えていただきました。
で、さくっと3枚とも注文。
相変わらずカラヤン・センターのショップには通信販売システムがついていないので、今回も自作の注文用紙をファクシミリで送信です。

例によって素早い先方の対応で、クリスマス前に到着しました。
前後してきたメール及び本体とは別便の領収書では、海外への販売のためオーストリアの消費税抜きで1枚€22.5、送料は3枚合わせて€38.12で、計€105.62でした。

担当の方曰く「充分に注意して壊れないよう厳重に包装して送ったつもりだが、心配でならない。到着したら無事かどうか確認して連絡して欲しい」とのこと。
そのようなことを言われると逆に心配になってしまいましたが、3枚とも無事だったので、その旨メールで送りました。

実物のタイルは一辺約19.5cmの正方形、この真んなかにやはり正方形の一辺約12.5cmの写真が塗り込まれています。
出来合いのタイルにペロッと写真を貼りつけたのではなく、写真の手前にも上薬が塗ってあります。
写真を入れて焼くのかな。
このあたり詳しくないのでわかりませんが、とにかく時間とともに剥がれしまうような心配をする必要のある商品ではありません。
厚みは約1cm。
飾ることを考慮に入れてある作りで、写真立てのように後ろにつっかえ棒がついています。

写真は3パターン、最初に問い合わせしたときの返事では、全てムジークフェライン・ザールでの写真とのことでした。
1枚目と2枚目はいずれも明らかにそれとわかるムジークフェライン・ザールの天井が映っている50〜60年代と思われるもの、これは撮影:Elfriede Hanakとなっています。
1枚目はデッカ盤R・シュトラウス集の初出SXL独盤ジャケットと同じ写真です(英盤の手ではありませんw)。
オルフェオのブルックナーの5番のジャケット写真と同じときの撮影ではないでしょうか。
こちらはモノクロ。
2枚目はカラーで、こちらも見たことはありますが、ジャケットでは何で使っていたろう。
3枚目もカラーで、70年代の写真です。
廉価盤や写真集のなかでよく見かけるもの、撮影はお馴染みSiegfried Lauterwasser。
一応写真を挙げておきます。
本当はもっと大きい写真を並べたいのですが、平面であるのを良いことにスキャナで取り込んだところ、どうしても異常な量のホコリが目立ってしまい、商品についての印象を著しく貶める可能性があるので止めました。
やはりカメラで撮影してもらうべきだった。

正直言って、銅像のときほど入手の喜びはありません。
現地に行ってのお土産としてはともかく、消費税抜きとはいえ、送料までかけて、1枚あたり\5,000弱で入手するようなものではないと思います。
いやあ事前にわかってはいても、最近この手のものを見ると、「あ、これでサイト更新できるなぁ」と邪なことを考え、夢中になってしまう次第であります(w。

Othersを更新しました。
いつから販売されていたのかわかりませんが、便宜上2004年製とし、ページの最後部に追加しました。

明日は書籍たちについて更新するつもりです。
更新すると思う。
更新できるんじゃないかな。
まあちょっと覚悟はしておけ。


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