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2004
1月30日
J・S・バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第3番、管弦楽組曲第2番(映像作品)
先日Concolorさんより教えていただいたドリームライフからのUNITEL未発売映像のDVD化について、まずブランデンブルグ協奏曲第3番と管弦楽組曲第2番が4月21日に発売されます。
わずか32分の収録ですが、初回出荷版は\1,995と安価です。
通常版は\2,940。
まだベートーヴェン:交響曲第9番はアナウンスされていません。
ハイドン:《天地創造》(65年8月29日)
65年8月29日の《天地創造》が、DGより発売されます。
先方のページには「65年ライヴ」としかありませんが、この年の演奏はこの日だけなので、おそらく間違いないでしょう。
いままでARKADIA他からCD化されていましたが、正規では初発売です。
5月発売予定。
正直、どうしてこれ? という気がしないでもありませんが。
カラヤン、《フィガロの結婚》、スカラ座、CD、本?
サミュエルさんという外国の方から、メールをいただきました。
『Il sole 24 ore』というイタリアの新聞社がカラヤンとモーツァルトについての新しい本を出版するのだそうです。
リンクもあるのですが、これがさっぱりわかりません。
盤面の写真があるのでCDなのでしょう。
《フィガロの結婚》と書いてありますね。
一覧の上の方にある、alla scaraってスカラ座のこと?
カラヤンのスカラ座での《フィガロの結婚》には、現在までに発売されたカラヤンのライヴ音源でもっとも古い48年12月28日(または49年1月2日)分か、これはいまでも入手しやすい54年2月4日分があります。
1月9日
ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》(54年12月4日)
まだ、サイトの方が更新されていませんが、Goodiesさんの新譜情報メールによると、54年12月4日のローマでのベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》がURANIAからCD化されるそうです。
URANIAは盤起こしをしますし、実態がつかめていないのでこのサイトには載せていないJokerやWGあたりで何となく出ていそうな気もしますが、一応初出です。
協演者はテレサ・シュティッヒ=ランダル(S)、ヒルデ・レッセル=マイダン(Ms)、ワルデマール・クメント(T)、ゴットロープ・フリック(Bs)。
演奏団体はRAIローマ交響楽団及び同合唱団。
ただURANIAの番号は頭がURNとなるはずですが、メールには「RM11 915
」とあります。
RARE-MOTHではないみたいだし、私が知らないだけかな。
メール本文の転載は可能なのですが、その場合も連絡するようにとあるのが面倒なので、引用しません。
今日は金曜日なので、そのうちARIA-CDさんかカデンツァさんに載るでしょう。
代理店の書いた文章そのままのはずですから、たぶん同文です。
追記:
あ、見つけた。
オペラハウスさんに出ていますね。
上から3つ目です。
あ、さらに見つけた(w。
SYMPHONIAさん。
こちらはトップ・ページの上から2つ目。
マタイ受難曲(50年6月15日)
上の確認のために、ARIA-CDさんを見ていたら、すでに本日分の更新は行われているのに、ローマでの《合唱》については掲載されていませんでした。
そのかわり、先日ここに書いた50年6月9日のマタイ受難曲の初正規である、ANDaNTEからのCDが正式にアナウンスされたようで、新譜として掲載されています。
音源:ORF
、という記述が実に頼もしいですね。
3枚組。
そういえば今日はANDaNTEからもメールが来ていましたが、この盤については触れられていません。
最近はほとんど時間を空けずに国内店頭に並びますので、私はそれを待って買うことにします。
以上、今日はモノラル・ライヴ音源新譜の記事2件でした。
1月3日
印刷用スタイル・シート
いつのまにかCSS対応ブラウザ用の印刷用スタイル・シートがいかれていましたので、直しました。
おかしいなぁ。
まだ変なところ・邪魔なところがあればお知らせ下さい。
DISCOGRAPHY下のページ印刷時に有効です。
なお、IEなどで印刷する場合、ヘッダ/フッタのない方がむしろ見やすいようです。
「ファイル」→「ページ設定」で、「ヘッダー」・「フッター」欄を空白にすると消せます。
ところで私はこの欄内を消すと、元に戻す方法を知りません。
「あら、もう消しちゃったよ」という方のために、以下にデフォルトの設定を記述しておきます。
上記は画像ではないので、そのままコピーできます。
1月1日
2004年
あけましておめでとうございます。
今年がみなさまにとって、幸多い年であることをお祈りいたします。
去年はカラヤン生誕95年、今年は没後15年です。
何があるのでしょうか。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
お正月企画:71年のチャイコフスキー各種
年末年始がばっちり仕事の私にとってはもはや無意味なのですが、今年も普段のこの欄に書くにはちょっと違和感のあるネタがありましたので、お正月企画です。
今年はこれ1回。
71年録音のチャイコフスキー後期交響曲集の様々な盤について。
LP
1C 195 02 305〜7。
3枚組のLP。
『全軌跡を追う』には、これと同じで最後にQのついた番号が載っています。
この盤にはQはついていません。
レーベル面にははっきりSTEREO
と書かれていて、クォドラフォニックではありません。
データベースに載せている1C 065 02 305〜7Qの画像にはジャケット上に例によってクォドラフォニックである旨書かれています。
『全軌跡を追う』はQなしの同じ番号も載せておいて然るべきと思うのですが、何なのだろう。
この時代のEMIの番号について詳しくないので、よくわからないのですが、解説はドイツ語と英語で書かれています。
肝心の中身。
いやあ、やっぱり良い音ですよ、これ。
LP1のA面、4番の第1楽章始まりから、もう他の盤とは格段に違います。
シュトラウスのピツィカート・ポルカからヒントを得たといわれてる第3楽章は、私には低音が効き過ぎで、ちょっと辛い。
このまま第4楽章が始まると、どれくらいすさまじいことになるのかと身構えていたら、あらら、第4楽章はずいぶん大人しくて肩すかしを喰らいました。
音圧まで痩せ細って、ちょっと不満足です。
しかし全体として、やはりLPが抜群の音質ですね。
鮮明で音圧もあって、生々しい。
私はQ盤のLPが好きで、見つけたら片っ端から手に入れることにしているのですが、意外に多くは出回っていないようで、しかもとくに興味のあるこの盤について未入手なのは残念なところです。
日本盤のCD
「71年のチャイコフスキーは音が悪い」という意識の根元はおそらく日本盤CDにあります。
私の手許にあるのは、4番:TOCE-1506、5番:TOCE-3376、6番:TOCE-1507。
4番・6番はセラフィム盤で、番号が隣接しているところを見ると、この時期には5番が出ていなかったのかな。
この2枚が製造中止になってすぐ、5番のTOCE-3376を含んだ3枚が再発売され、モスクの前にいるカラヤンの写真がジャケットになっていることにあきれたものです。
もう少し良いのなかったの?
4番のとくに第4楽章で顕著ですが、音が割れています。
メーターが振り切れている感じ。
6番も同様です。
5番のみがHS-2088リマスターリング。
私は世間一般にいわれる程、このリマスターリング技術が嫌いではなかったのですが、5番に関してはむしろ悪くなっている気がします。
どちらにしても3枚とも満足できる音質ではなく、ぶ厚い皮膜に覆われたようなこもった音です。
モスクのジャケットのあと、再度、確か金色っぽいジャケットで再発売され、さらに昨年の11月には6番だけ再発売されましたが、この録音の日本盤CDについてはとっくに見切りをつけているので、入手しようと思ったこともありません。
DTS盤
DTS仕様のCD。
発売はもう6年前です。
このシリーズ、他にもモーツァルト後期交響曲集が同時に出ましたが、それっきりです。
買おう買おうと思っていたのですが、全然見かけませんでした。
不意に店頭で6番のみ投げ売りされているのを見つけて、買ってきました。
うちには5.1のシステムがないので、充分に堪能できないことはわかっていたのですが、まさか再生できないとは思っていませんでした。
通常のDVDプレイヤ、PCのDVDドライヴ+Media Playerや5.1出力に対応したDVDソフトでも試しましたが、聞こえてくるのはザーっというノイズだけ。
あらら、こりゃ失敗したな。
6番だけで良かった。
ということで、せっかくここに挙げているのに、何も書けないというのは無意味ですが、これが聞けるようになるのはまだまだ先になりそうです。
この盤について話題になったとき、BBSにpapyさんが貼りつけて下さった文章がありますので、そちらでそうぞ。
DISKY盤
HMVの熱心なディレクターの活躍で、ARTと同等の技術・人材を用いてリマスターリングされたという、DISKY盤です。
発売当時、話題になりました、というより、私がこの録音に興味があったので、話題にしていました。
ちょっと振り返ってみましょう。
- トップ・ページ
- BBS
第4番は見送られました。
マスター・テープが損傷しているという話です。
ううむ。
これは、良いというより面白い盤という印象が強いです。
最初聴いたときにはなかなか見事だと思ったのですが、考えてみるとそれっきり聴いてない。
確かに良い雰囲気なのですが、EMIらしさというのとは少し路線が違う気がします。
それとときどき音響的な違和感を憶えます。
位相までいじっているのでしょうか。
しかし結局、この企画のためにまとめて聴いてみたところ、やはり現状ではこれが1番「良い音」でしょうか。
でもLPとは全然違いますよ、これ。
なお、4番のマスター・テープ損傷の件、私はそのうち本家のEMIが平気な顔をして、ART盤を出すのではないかと、希望的観測を含めて思っているのですが、最近EMIはカラヤンのART盤を出しませんね。
韓国盤
昨年の1月19日に発売されたのらしい、韓国盤のCD2枚組。
私が存在を知ったのは12月になってからで、早速入手してみました。
どうして今回この企画を思いついたかというと、この盤があったためで、聴いたときはかなり良い音だと思いましたが、その後比較のために永く聴くことのなかった日本盤CDを聴いてみたところ、劇的な程ではありませんでした。
どうも日本盤はCDは音がひどいと永く思っているうちに、実際よりもさらにひどい音だと思いこんでいたみたい。
日本でいう東芝みたいな会社がライセンス生産している、れっきとした正規盤です。
ここに挙げたジャケット表にはありませんが、裏はハングル混じり、解説は全部ハングル語です。
番号は韓国独自のCEC2D-0072で、インターナショナルっぽい番号として7243 5 75929 2 5も記述されていますが、この番号の盤は出ていないようです。
さまよっているうちに韓国のmyzonというサイトで見つけました。
Tchaikovsky: Symphony 4.5 & 6 Pathetique - Berliner Philharmoniker
価格が12,000ウォンで、送料もだいたい同額。
さすが隣国だけあって、注文後4〜5日で届きました。
時間がかかったのは注文フォームです。
ハングルさっぱりなので、途方に暮れるようでした。
他にもっと注文しやすいサイト、つまり英語で表記されているサイトはないものかと思い、探してみたのですが、韓国ドメインではHMVもTowerもAmazonもないようです。
ハングル語は日本語に訳しやすいらしく、翻訳サービスを使用したところ、かなり的確に、文章までよく意味のわかるもとして訳してくれました。
私が使用したのは、OCNのサービスです。
これで単語をちょこちょこ貼りつけて先に進んでいました。
困ったのは住民登録番号というものです。
どうせ発送先を見れば韓国籍ではないのはわかるだろうから適当で良いや、と思ったのですが、これが適当だとはじかれます。
JavaScriptでチェックしているのはわかったので、Javaを外していったら、今度は次のページに進めない。
泣きそうになっていたところ、生年月日と性別を表す数字を入れる外国人用の番号があるそうで、それでやっと通りました。
たとえば1908年4月5日生まれの男性の場合、
080405-1000000
といったような塩梅です。
1989年7月16日生まれの女性は、
890716-2000000
です。
私はそもそも生年月日なぞ教えるつもりはないので、適当な数字を入れました。
発見後即購入決定したものの、実際発注できるまで、たっぷり1時間かかりました。
で、音質。
先ほども書きましたが、私の持っている日本盤よりは良いです。
やはり相当こもってはいるのですが、音割れもなく、また極端なバランス崩しもなく、安心して聴いていられます。
良い意味でも悪い意味でも、もっともEMIらしい音質なのは、あるいはこの盤ではないでしょうか。
この盤を聴いたのはLPを入手する前でしたので、なかなか良く感じました。
いまは、まあ平均というところです。
最後に
結局、残念ながらLPを凌ぐものはまだ現れていません。
状態の良い外国盤のLPを丁寧に盤起こしすれば、上記のCDたちはどれひとつとして太刀打ちできないでしょう。
もしこの録音を聴いたことがないという方がいらっしゃるのなら、迷わず入門用として韓国盤CDをお勧めします。
以上、71年のチャイコフスキーの様々な盤についてでした。
入手しやすい盤で、「これこそ」と自信をもっていえるものがあれば良かったのですが。
しかしこの演奏、たとえどんな音質でも、魅力的であることに変わりありません。
だからこそ、良い音で聴きたいと思ってしまうのですね。
この録音、私にとっては「失われたアーク」みたいなものです(w。
相変わらず私は初出のQ盤を探すでしょう。
私が見つけるのと、本家がART盤を出すのと、どちらが早いでしょうか。